『MTGの中で沈黙すると言うこと・・・』

先日、とあるクライアントとのミーティングで、こちらコンサルタントサイドのコメントに対し、クライアントの社長が少し険しい表情を見せたシーンがあった。論点の正確性を問われている空気が漂った瞬間だった。
その場で沈黙することは明確に「悪」だったと思う。
何故なら、誤った方向に議論が流れることを見過ごすことになるからだ。私たちコンサルタントの使命は、単に相手に合わせることではなく、真摯に、より正しい方向に導くことにあると長らくそれを自分宛てのテーマとして設定している。だから会話の切れ目で、多少議論を蒸し返すことになろうとも、自分の意見を再度差し挟んだ。あぁ、そういうこと?!なるほどね、と言ってもらえることがその先の議論においてはとても重要だと思っている。社長に対しての反駁となると、場は一時的に緊張したかも知れないが、最終的には議論が整理され、相互理解の精度が上がったと思っている。
あの瞬間、心の中で働いていたのは、先日読んだ Harvard Business Review の記事で紹介されていた “Defiance Compass(反抗の羅針盤)” の考え方だったと思う。これは単に反発することではなく、「価値観に基づいて行動する力」のことだ。組織やクライアントの圧力の中であっても、自分の倫理と責任感から逃げない。その積み重ねが、信頼と文化を形成していく。
その記事ではまず、「Who am I? ― 自分は誰か?」を問えとあった。
自分自身、「事実と論理に忠実であること」「短期的な忖度より長期的な信頼を優先すること」を判断の軸にしている。これを明確に持っていれば、現場での一瞬の迷いにもブレにくい。
次に、状況を冷静に評価すること。誰が影響を受けるのか、沈黙と発言のどちらにもどんなリスクがあるのかを見極め、意識的に選択する。そして「自分のような立場の人ならどう行動すべきか」と自問することで、感情ではなく原則に基づいた判断ができる。良い歳したおっさんだからこそ、その言葉を差し挟む意味があるシーンが増えていると思われる。
コンサルティング業界において、リーダーポジションの立場の者にとっての“反抗”とは、声を荒らげることでも、ただ従順でいることでもない。理念と実務の狭間で、誤りを見過ごさない勇気を持ち続けることだと思っている。仮に、短期的に場の温度が上がったとしても、それが長期的な信頼を築く礎になる。そう信じているからこその発言である。
この、発言を差し挟むと言うことをやめるとコンサルタントではなくなるとすら思っている。









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