『第38回 日本代表対イングランド 観戦記…』

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ドタバタした挙句、19時過ぎにはManchester City Stadiumに着いた。感動も一入である(笑)。スタジアム周りで僕が所属していたJ-supportersの仲間はいないものか、と思いながらウロウロとしてみるものの、やはりいない。。。しかし、予想に反して相当数日本サポーターがいる。これには結構驚いた。フーリガンの母国、いや、サッカーの母国のアウェーゲームでこれ程までに日本サポーターがいるとは正直想像だにしなかった。

  *尚、日本ではないのだが、こちらのチケットはクレジットカードと
   同じサイズのICチップ埋め込み型のチケットである。ハイテクであ
   る。去年の大分での試合の時に試験的には導入されていたが…

スタジアムに入る際には金属探知機も何もない。申し訳程度にやっているが、僕はGlasgowのビジネスラウンジから持ってきた缶ジュースやらペットボトルは全て持ち込めた。。。(笑)スタジアムに入るとやはり気持ちが引き締まる。自分のシートは残念ながら?1階席、記者席前の選手ベンチの真横で、2階席の日本サポーター席で〝いつも通り〟大声を出す事はできない雰囲気であった。。(笑)しかし、考えてみれば、トヨタカップやワールドカップの時はVIPシートで観戦したことはあるが、日本代表の試合は100試合近く観ているが、こんなに良い席で観た事は未だ嘗て一度もない。。いや、ある意味とても落ち着けて観れた(隣の日本人の女の子二人にずっと解説していたが…笑)。

スタジアム自体は、外観もとても綺麗であるし、中もとても綺麗である。サンシーロのシートとは比べ物にならないくらい綺麗で、久しぶりに跳ね上がり式のシートに座った。。またイタリアとの大きな違いはピッチとシートの間にネットがないことである。これは観客からするととても大きなアドバンテージだと思う。当然ラインからの距離が日本のスタジアムのように陸上トラックがないのでとても近い。その影響で、選手が座るベンチは観客席の中にある。また、ピッチ状態であるが、正確には分からないが18mmくらいの長さの芝生だったのではなかっただろうか。観客席から観ていてもとても長く見えた。これは今日はスリッピーになるだろうな、と試合前の練習を観ていて思った。

さて、スターターであるが、我が日本代表は、GK楢崎、DF坪井、宮本、中沢、MF加地、小野、稲本、アレックス、中村、FW久保、玉田であった。藤田の怪我は深刻なのだろうか?事前情報ではよっぽど久保やアレックスの方が怪我の状態は悪そうであったが、、、(藤田は結局出なかった)

一方、イングランドであるが、GKジェームス、DFGネヴィル、キャンベル、テリー、Aコール、MFジェラード、ランパート、ベッカム、スコールズ、FWオーウェン、ルーニーであった。スターターは完全に本気モードだった。

前半開始早々4-5分だったろうか?ベッカムがコーナーを蹴りに行く。日本サポーターサイドだったがやはりにわかファンか、ベッカムーと言う日本語の声が聞こえる…(笑)ベッカムのコーナーはニアに合わせに来ていたテリーだったろうか、ヘディングで綺麗に合わせられあわやゴールラインを割るところだった。楢崎が辛うじて後ろにつんのめりながら触ったが、後ろに小野がいなかったら確実にラインは割っていたと思う。

その後もイングランドはかなりアップテンポで攻め続ける。ランパード、ベッカム、スコールズが横のパス交換を効果的にし、また、僕が見ていたサイドではベッカムがGネヴィルと上手く絡み合い、アレックスを翻弄。試合後のコメントでアレックスは二人を見ながらうまく対応できた、と言っていたが、思いっきり勘違いである。はっきり言うとやはり守備のレベルは中学生以下で、相手との距離感、二人を見る角度、パスの予測、相手を背負ってしまう事、3バックに吸収されてしまって勝手に4バックになってしまうこと、攻め上がった後ボールを取られても全く帰らないことなど、守りの面で及第点は一つもない。間合いなどに関しては、一度剣道でもしてみたらどうだろうか?これは結構本気の話である。間合い一つで命を落とす剣術で、タイミングと距離感を養うことが必要なのではないかと本気で心配である。

20分を2-3分過ぎた当たりだっただろうか、右からの攻め上がるイングランドのパスを坪井がヘディングでクリアしたところ、ジェラードが拾い、約30mくらいのロングシュートを放つ。試合前の危惧が現実のものとなってしまった。。。何と楢崎がボールを前にこぼすではないか!信じられない。。。当然、嗅覚するどいオーウェンはFWの定石通りボールに詰めており、難なくゴールマウスにボールを運ぶようにシュートを決めた。。最近の楢崎はどうしたものだろうか?チェコ戦こそ無失点に抑えたものの、シンガポール戦から失点の試合が続くのが気になる。

25分ごろ、中央から小野を経由して前線の久保にボールを当てた玉田が久保からの折り返しをシュート。恐らく日本の初シュートだったと思うが、ジェームスがクリア。その後、立て続けに中村、小野がシュートを試みるもののジェームスに抑えられる。またCKを宮本が頭で合わせるもののゴールマウスを捉える事はなかった。

  *この当たりから、前半飛ばし過ぎたためか、イングランドのペースが
   落ちる。逆に日本代表の方もパス回しが続くようになり、ペースが五
   分五分になってきたように思える。

前半40分を少し過ぎた当たりで、守備では全く良いところがなかったアレックスであるが、ドリブルで仕掛けてペナルティーエリア内に切り込んでいき、相手のタックルに遭う。もう、誰が見ても足に掛かっておりPKであることは明々白々であるが、やはりアウェーであり主審は笛を吹かない。。。いや、これはイングランドサポーターと言えどもPKを覚悟した筈である。実際、サントスは怪我の治療でピッチ外に出たのであるから。目が肥えてないファンでも、シミュレーションに近い演技かどうかは一目瞭然であった。

その後は膠着状態と言うよりも、良い試合展開で進み前半は1分のインジュアリータイムで終了した。

【ベッカム特記事項】
特に注目していた訳ではないのだが、やはりベッカムのボールは曲がり方、コース、距離感、スピードが素晴らしい。Gネヴィルとのパス交換では一度自分を追い越させ、パスをはたいた後に折り返しをもらい、左にかなり体重を乗せてから右足の外側の甲でシュート回転を掛けて中に走るスコールズやランパードに合わせていた。受け取り手のスピード、タイミングを考えた上で受け手の次のプレーのし易さを考えてパスしていると思う。一番最初に彼を観たのはマンUがトヨタカップに来た時だったが、その時はまだそれ程ゲームメーキングができていなかったと思う。また、一昨年のワールドカップでもイングランド対ブラジルを静岡で観たが、その時よりもレベルが上がって来ていると思う。マンUにいた時はセットプレーの時と右からのカーブを掛けたセンタリングの精度をどんどん上げていっていたが、レアルに行ってから、縦横のパス交換の幅を広げたと思う。

後半開始後、メンバーに変更はない模様である。

前述の通り、ベッカムのピッチをまたぐロングパスが効果的に決まったシーンがあった。右サイドから左にいるジェラードに37-8mはあろうかと言うパスが前半7-8分に交わされた。ジェラードは一度ラインを踏んだ後、1,2歩ピッチに戻ってしっかりボールを受け取り、中にいたランパードにボールを戻した。ランパードのシュートは外れてしまったが。。

その後、8分頃だっただろうか、左にいた中村が更にその外を駆け上がるサントスに綺麗にコースを合わせてパスを配給し、ゴールライン近くまでドリブルした後、マイナスのボールをセンタリング。何故か、一瞬完全にフリーになった小野が綺麗にインサイドで合わせ、日本代表は同点に追いつく。このゴールはここ最近のシュートの中で相当綺麗に決まったものであり、目の前で観れたのは幸せであった。ゴールまでの展開をビデオで観て、攻撃のお手本として観るのも良いと思う。

  *同点に追い付かれたためか、試合前の話ではどんどんと人を交代させ
   ていくと言う話だったがイングランドはなかなか交代させない。逆に
   日本代表はFW二人を交代させた。今日の久保、玉田はFWとしてはそれ
   なりに動いていたと思うが、それ程出来が良かったとは思えない。後
   述するが、久保、玉田と交代した際にピッチインした鈴木の出来が良
   かったと思う。

後半15分より少し前くらいだったか、スコールズかランパードへのファウルでかなりゴールに近いところでイングランドがフリーキックを得る。頭に浮かんだのは、イングランド対ギリシャでベッカムが決めたフリーキックだった。しかし、幸いなことに前半で受けた傷の痛みを感じさせない機敏な動きで楢崎はパンチングでクリア。

その後、イングランドの中盤は明らかに前半に比べてペースが落ちてきていたものの、スコールズ、ランパード、ジェラードとベッカムが上手く絡みあっていたと思う。その後も20分過ぎにベッカムがループシュートを狙うなどしたが得点シーンは最後まで生まれなかった。

後半30分過ぎにスコールズ、オーウェン、ルーニーが交代したが、余り効果的な交代とは言えなかったと思う。試合は結局そのまま終わった。ベッカムも途中で小野と競り合った時に古傷を痛めたようで途中で交代してしまった。

試合途中で観客席からウェーブが起きたが、これは明らかに試合内容が詰まらないと言うイングランドサポーターの無言の抗議だと思う。イングランドのサポーターは、日本のプロ野球のようにトランペットで応援を統率していたが、途中からなくなっていた。彼らからすると、極東のFIFAランキング25位のチームにホームでドローなどと言うのは耐え難い屈辱なのではないだろうか。。

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今日のルーニーは悪童っぷりを如何なく発揮していたが、正直カラ回り。先日観たミラン対ローマでのカッサーノを思い出した。プレーぶりは正直ジェントルマンの国のプレーヤーとは思えない。。若さとスピードだけで突進していくだけでは限度があるのではないかと思う。また、イングランドはDF陣が少々難有りなのかな、と思わなくない。攻撃に関してはキレていたとは言え、サントスの上がりを一度も押さえられなかったと思う。キャンベルも然程良かったとは思えない。事実、小野の得点シーンはDFのマークミスだと思う。

【日本の攻撃】
その後は殆ど日本の攻撃だったように思える。中村が綺麗で、且つスピーディーなパスを自陣内、相手陣内でもきちんと配給しており、小野、稲本、また、それより一列低い坪井、宮本、中沢ともきちんとパスが回っていた。ただ、残念なのは真正面からの20m弱のフリーキックが、蹴った瞬間に外れると分かるようなものだったことである。ジーコジャパンになってからフリーキックでの得点は1点のみ。やはりベッカムのように頼りになるフリーキッカーが欲しいところである。。

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小野は稲本との距離感、上がり位置などは完璧に近く、稲本の骨折は正直中田の離脱よりも痛いのではないかと思う。今、あの位置を稲本の代わりにできるプレーヤーはデンハーグを退団したばかりの戸田ではないかと個人的には思う。コインブラはやはりDFのプレーヤーを見る目はないのだろうか。。。

また、鈴木が投入された後、一度鈴木に当ててから溜めを作る攻撃パターンが出来上がっていたと思う。正直、前半の久保よりかは遥かにフィジカルの面で強く、あのキャンベルなどに競り勝っていたと思う。事実、後半で少々失速したものの、鈴木のキープ力は久保、玉田よりもレベルが一つ上であると思った。

攻撃面で、また少々不安が出てしまったかな、と思うのは僕だけであれば良いのであるが、柳沢は最早代表レベルの選手ではないと思う。試合に出ていない事がこれ程影響しているのか。走り出すタイミング、コース、位置取り、DFの押さえ方、どれもとても及第点とは言えず、元々走り方が変で緩急の付け方が下手だったが、少々みっともない状態になっていたと思う。

試合前は6月9日のインド戦に照準を合わせて、と言っていたコインブラであるが、やはり目先の勝利に目が眩んだのか、中一日で試合をしているにもかかわらず、戦略的に?交代させたのはFW二人のみ。加地をフル出場させたりするのは試合経験を積ませると言う意味で分からなくはないが、左のサントスは三浦に代えるとかすれば良かったと思う。また試合中に稲本が90分フル出場したいと言ったらしいのであるが、結果的には完全に裏目に出てしまい、貴重な戦力を失ってしまったと言えるであろう。やはり、スター選手だった監督は、控え選手の気持ちなどの把握は無理なのであろう。試合開始前の練習で日本人ファンから小笠原は〝みーつおー頑張れー〟と呼ばれていたが、誰だお前?今日は出ねーよ、みたいな嫌そうな顔をしていた。

やはりスター選手だった監督は駄目なのであろうか。。控え選手の気持ちのコントロールができていないことは、2月のキャバクラ事件で明らかなのに。前回のアイスランド戦では6人も交代させたが、アイスランドよりも格上のイングランドでは控え選手などは出せないと言う事を露骨に示した事になる。当然、こう言った考えは結果からして選手にも伝わり、ディモチベーションになることは誰が考えても分かる。

6月9日のインド戦は爆勝してくれることを祈るのみである。。

KEN@ミラノの自室にて

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Posted by xyzken